News Letter No.16(夏季号) 2012年7月23日

2012年度大会開催案内

会場・日程・大会プログラム

こちらをご参照ください。

  1. 個別研究発表については、確定的な研究発表題目、研究発表要旨(800字以内)
  2. パネルセッションについては、具体的な案(内容、形式)(800字以内)

大会実行委員会受付

〒790-8577 愛媛県松山市文京町3番
愛媛大学法文学部人文学科哲学・倫理思想史研究室
日本思想史学会2012年度大会実行委員会委員長
黒木 幹夫
担当 山本與志隆
Tel・Fax: 089-927-9289(直通)
E-mail:

宿泊について

宿泊施設については手配致しかねますので、各自、お早めにご予約下さい。

2012年度大会開催にあたって(愛媛大学・黒木幹夫)

日本思想史学会2012年度大会は、10月27日(土)・28日(日)の両日、四国の愛媛県松山市に所在する愛媛大学の城北キャンパスで開催されます。日本思想史学会としては、愛媛県はもとより、四国で最初の大会開催となります。

愛媛大学は、松山城および道後温泉には徒歩で行ける範囲に位置しております。観光を兼ねつつ、多くの会員諸氏が愛媛に来てくださることを大会実行委員会は大いに期待しております。愛媛大学での総会後の懇親会は、道後温泉近くのホテルで開催の予定です。

愛媛県すなわち伊予国が属する四国は、弘法大師信仰に基づく「遍路」で有名であることから、大会シンポジウムのテーマは「巡礼・遍路の思想」となります。「巡礼・遍路」は言うまでもなく宗教と密接に関連するテーマです。

宗教と言えば、震災においてわれわれが如実に体験したごとく、アクチュアリティとしての現実が示す重みにそもそも思想は耐えうるのか、それになにがしか応答することが思想に携わるものに課せられた十字架であるならば、日本人の宗教観が改めて問われているように思われます。

大会開催当日は、図らずも日程が重なってしまいましたが、同じく愛媛大学で「四国遍路と世界の巡礼」研究会が催されます。愛媛大学での日本思想史学会大会は、この研究会との協力関係のもとで開催されることを付記しておきます。ちなみに、大会ポスターの背景写真は、この研究会の提供に係るものです。

なお、愛媛大学の城北キャンパス内には愛媛大学ミュージアムがあり、大会開催中の土・日は開館(AM10:00〜PM16:30/入館は16:00まで/入館無料)しております。ミュージアムというメディアを用いた愛媛大学の学術研究成果の公開・発信がなされておりますので、ぜひご来館いただきたいと思います。(2012年度大会実行委員長)

2012年度 日本思想史学会大会シンポジウムについて(日本思想史学会大会委員会)

本年度の日本思想史学会大会シンポジウムは、「巡礼・遍路の思想」を主題とします。巡礼・遍路は、周知のように平安時代以降に広がった聖地・霊場への参詣行動であり、宗教的にも重要な行事といえます。これまでは、主として社会経済史、宗教史や民俗学の分野などで研究されてきたテーマといえますが、その背景に観音信仰・地蔵信仰・山岳信仰や空海に対する信仰・思想などが存在していることを考えるならば、思想史分野においても重要なテーマであることは明らかです。のみならず、平安時代以降に修行僧によって始まった巡礼・遍路が、やがて民間にも徐々に広がっていった過程には、紛れもなく顕密仏教、神仏習合の民間社会での受容の様相が刻印されています。また、網野善彦氏によって、移住・遍歴の中世像がクローズアップされる中で、巡礼者が中世文化の担い手、伝搬者であったことも明らかにされています。近世には交通路の整備とも相まって、さまざまな巡礼・遍路、参詣が民間に広がるに至り、それらとの関連での研究が新城常三氏らによって精力的に進められてきました。近年では、旅や名所・旧跡の普及との関連での研究も行われています。さらに、お伊勢参りや金比羅参りなどとの関係も見逃せないところです。近代以降も、巡礼・遍路は、観光化するなど様相を変えつつも継承されることになりますが、そこにはナショナリズムとの結びつきや、空海像の変容など近現代日本の思想史的問題も映し出されていると考えられます。

翻って思想史研究の動向に関していえば、近年、その研究の幅が広がり、思想家のテクスト分析のみならず、人びとの実践や行動に対する思想史的分析も行われるようになりました。思想と実践を一体的に捉え、あるいは社会との関わりで歴史的に捉えていく上で、巡礼・遍路は最適のテーマの一つであるといえます。

なお、日本思想史学会としては初めて四国の愛媛大学で大会を開催することになったことに鑑みても、上記のテーマは相応しいとわたくしたちは考えています。

具体的には、中世仏教と巡礼・遍路の成立について舩田淳一氏(東北大学)に、近世の旅と巡礼・遍路の拡大について青柳周一氏(滋賀大学)に、近世の巡礼と宗教について井上智勝氏(埼玉大学)に、それぞれご報告をお願いいたしました。主題にふさわしい構成になったと思っておりますので、多数の皆様がご参集され、活発な議論の場となることを願っております。なお、9月1日に報告者の方々が全員参加されてのプレシンポジウムが立命館大学で開催されることになっております。詳細は、学会事務局にお問い合わせください(文責 桂島宣弘)。

ニューズレターの電子化について

2009年度総会および同年冬季号ニューズレター以来ご案内の通り、資源・経費の削減のために第12号(2010年夏季号)から原則としてニューズレターを電子化で発信することとなりました。HP上にてご覧ください。なお事前の紙媒体での発送を希望した会員、もしくはメールアドレス等の情報が事務局に無い会員は従来通り紙媒体でお送りしております。電子化にご協力いただける会員は、事務局までご一報下さい。

会員名簿の情報更新について

会員名簿の情報更新(新入会員・住所変更等)は、次号(ニューズレター冬季号・No.17)に掲載させて頂きます。

ニューズレター冬季号の発刊に併せて、振込用紙・会費請求書ともに同封します。

なお個人情報が含まれるため、会員名簿の情報更新は紙媒体でお送りします。

会員研究業績の情報提供のお願い

当会ホームページの「会員研究業績紹介」欄に載せる会員諸氏の研究業績を、学会事務局までE-mail、或いは葉書でお知らせください。その際、著者名(ふりがな)、論文・著書名、掲載誌(号数)、発行所、刊行年月を明記願います。

新入会員

寄贈図書

会費納入のお願い

会費納入状況は依然として芳しいとは言えません。学会の安定した持続のためにも、会費納入をよろしくお願いします。

会費を納入する際には、下記の口座番号にてお振り込み下さい。(大会事務局は別口座になります・ご注意ください)。

(ゆうびん振込専用口座)
ゆうびん振込口座: 00990-2-195175
口座名称(漢字): 日本思想史学会
口座名称(かな): にほんしそうしがっかい

3年をこえて会費を滞納された方は会則第四条に基づき、総務委員会の議をへて退会扱いとさせていただくことがあります。

また、過去2年分の会費を滞納された方には、学会誌『日本思想史学』の最新号第43号(2010年度分)をお送りしておりません。会費納入の確認後に送らせていただきます。なお請求年度以降の会費をまとめて納入していただいても結構です。

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