「思想史の対話」研究会
日本思想史学会主催 第五回「思想史の対話」研究会のお知らせ
題 目:「井上哲次郎とその時代」
日 時:二〇一九年九月八日(日)午後二時〜五時
会 場:愛知学院大学楠元キャンパス 薬学部1F会議室
申込み:不要
第五回「思想史の対話」研究会ポスター(PDF、980KB)
趣旨
薄々気付いている人も多いかもしれない。近頃、井上哲次郎に関する論考が増えている。
理由のひとつに、私たちが彼についてあまり知らないという点が挙げられよう。井上哲次郎は思想史学の道を開き、哲学を講じ、倫理を説いた。多くの後進を育て、幅広い出版にもたずさわっている。しかし、思想史学は村岡典嗣に、哲学は西田幾多郎に、倫理学は和辻哲郎に、「近代日本において最初の本格的な」という形容が送られるのが常である。多くの論争において論敵の側に賛辞が送られるのも常である。「イノテツ」という略称の含む軽微な軽侮とともに、彼はきちんと読まれることなく哂われている。
もちろん、この手の人物の「再評価」も近頃はやりの研究視角である。しかし、評価を云々する前に、まずは彼がいなかるコンテクストにおいて何を考えていたのかを知る必要がある。その試みは、彼の関わった広範な知の領域において、日本の近代とは何であったのかを問うこととも結びつくはずである。
今回、若手の会にふさわしい報告者を迎え、井上哲次郎をめぐる対話の場を設けてみた。彼は一体何者なのか、私たちは彼に何を問うことができるのか。皆様のご参加をお待ちしております。
提題者
- 杉山亮(首都大学東京大学院)「“産業人”井上哲次郎―講学院中道挫折居士と『儒学三部作』」
- 郭馳洋(東京大学大学院)「井上哲次郎の現象即実在論における共同体の位相」
- 栗田英彦(南山大学)「明治20年代の井上哲次郎―宗教・国教・哲学」
「思想史の対話」研究会幹事
「思想史の対話」研究会について
「思想史の対話」研究会は、若手研究者の交流と議論の活性化を目的として、日本思想史学会総務委員会による運営のもとで、2015年度から始まった研究会です。