第四回「思想史の対話」研究会ポスター(PDF、2203KB)
日本思想史上の他のテーマと同じく、近年の神道研究も、対象と方法との両面で多様化の途を辿っている。「神」「神道」などの本質の論定をめざす研究に代わって、神をめぐるテクストや儀礼が、さまざまな時代背景や国際情勢下でいかに複雑な諸相を見せたかを明らかにせんとするアプローチが大勢を占めつつある。また研究手法の上でも、文学史や芸能史を横断する広い文化状況の中への神道事象の位置付けの試みや、政治社会の現場に即して神道の機能を捉えんとする社会史・政治史的な研究など、古典的な文献精読にとどまらない多様な手法が成果を挙げつつある。こうした「神道」研究の現況にかんがみ、多様な関心と方法論とを有する研究者が集い、各々の現状報告を兼ねつつ互いの問題意識や方法について「対話」を行うことはきわめて意義深いと考える。今回は特に現在の国内外の政治・社会状況に多大な影響を与え続けている近代神道に注目しつつ、研究者間の「対話」をはかりたい。「凡人が神になる道―「神話解釈史」から読む片岡正占の『人乃始』」
「世紀転換期における神道解釈の展開―明治天皇・大正天皇代替わりを中心に―」
「民衆宗教とコスモロジー―そのマイナー性に着目して―」
「思想史の対話」研究会は、若手研究者の交流と議論の活性化を目的として、日本思想史学会総務委員会による運営のもとで、2015年度から始まった研究会です。